この記事は、Microsoft Power Automate Advent Calendar 2025 12月7日担当分の記事です。
「承認者全員のコメントをメールで送りたいのに、最後の人の分しか取れない…」そんな経験はありませんか?
実は「開始して承認を待機」アクションの出力の扱い方にコツがあります。
承認者全員のコメントを綺麗にまとめてメール通知する方法を紹介します!
30秒でわかる!この記事のまとめ
忙しい方のための結論
- 解決策:
Apply to eachアクションを使って、承認応答(Responses)をループ処理し、文字列変数に追記していく。 - 使うアクション:
- 変数を初期化する(文字列)
- Apply to each(それぞれに適用する)
- 文字列変数に追加
- ポイント: メール本文で直接「コメント」を指定するのではなく、変数にため込んでからメールで使うこと。
フローの全体図

手順と解説(詳細)
それでは、具体的な作成手順を解説します。
1. 変数を初期化する
トリガーはあなたのフローに沿ったものを設定してください。
今回はサンプルのため、「フローを手動でトリガーする」にしています。
まず、全員分のコメントを格納するための「箱」を用意します。
- トリガーの下に、「変数を初期化する」アクションを追加します。
- 以下のように設定します。
- 名前:
Comments(任意の名前でOKです) - 種類:
文字列 - 値: (空欄のまま)
- 名前:

なぜこれが必要?
承認者のコメントは一人ひとりバラバラのデータとして入ってきます。
これをメールで送るために、一つの文字列としてつなぎ合わせる準備です。
2. 開始して承認を待機
次に、承認プロセスを設定します。
- 「開始して承認を待機」アクションを追加します。
- 承認の種類は「すべてのユーザーからの承認が必須」など、複数人が承認するタイプを設定します。
- 担当者(承認者)を複数人設定します。

3. Apply to each で応答を処理する
ここが最大のポイントです!承認者一人ひとりの回答を取り出します。
- 「Apply to each」(または「それぞれに適用する」)アクションを追加します。
- 「前のステップから出力を選択します」の欄をクリックし、動的なコンテンツから「回答数」を選択します。

4. コメントを変数に追加する
取り出した一人分のコメントを、最初に作った「箱」に追加していきます。
- Apply to eachの中に、「文字列変数に追加」アクションを追加します。
- 以下のように設定します。
- 名前:
Comments(手順1で作った変数) - 値: ここに、誰のコメントかわかるように整形して入れます。
- 動的なコンテンツから「回答数 承認者名」と「回答数 コメント」を選んで配置します。
- 最後に
<br>を入れると、メールで見たときに改行されて見やすくなります。
- 名前:
@{items('それぞれに適用する')?['responder/displayName']}:@{items('それぞれに適用する')?['comments']}<br>

5. メールを送信する
最後に、まとめたコメントをメールで送ります。
- Apply to eachの外(下)に、「メールの送信 (V2)」アクションを追加します。
- 本文の、コメントを表示させたい場所に、動的なコンテンツから変数
Commentsを配置します。

おまけ
もし最後にメールではなくてSharePointリストに格納したい場合、「Htmlからテキスト」アクションを前につけてください。

SharePointのアクションでCommentsの値を格納したい列に、動的なコンテンツからプレーンテキストコンテンツを設定したら完了です。

まとめ
今回は、「開始して承認を待機」アクションで複数人のコメントをまとめて取得する方法をご紹介しました。
ポイントは、「Apply to each」で「Responses」を回して、変数に追記していくことです。
これさえ覚えておけば、承認者が何人増えても、全員分のコメントを漏らさず通知することができます。
ぜひ、日々の業務フローに取り入れてみてください!


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